

No.4:株式会社ケア・ビューティフル 代表取締役 山本陽子氏
「自分を助けてくれたり支えてくれたりした人たちへの感謝の形が起業なんです!!」

関連URL
株式会社ケア・ビューティフル http://www.care-beautiful.com/
夢が夢を応援するWEBサイト「Care-Ring Museum」
http://www.care-ring.jp/museum/
もともと中学校の音楽教師をしていまして、20代前半で結婚し、離婚した後、一年間はいろいろ自分を模索する中で、最終的には、介護の世界を志すようになりました。
どうして介護の世界を志すようになったかと言うと、短大時代に老人施設へ訪問する機会があり、そこでピアノ演奏を披露し、非常に喜ばれた思い出があり、そのときの思いが甦り、介護の世界を志しました。ただ、実際入ってみると、短大時代の「タレント」として迎えられた立場と違い、排泄、入浴、食事という3本柱をやることに精一杯で、時折情けないという思いも抱きながら過ごす時期もありましたが、仲間に励まされ、次第に現場での技術も向上していく中で、介護の奥深さと自分にとって何ができるかな~というところに気づくことができ、介護現場で何とかやっていくことができました。
その中で、もともと好きだった「音楽」というキーワードがはずせなくなって、当時介護現場でも「音楽療法」が騒がれ始めていた時期でしたので、「音楽療法」を研究していくようになりました。ただ、研究の過程で資金面も厳しくなっていた頃、たまたま介護系のベンチャー企業とご縁があり、そこの教育事業部でお仕事をさせていただき、現場だけでなく、持続的に介護事業を継続させていく経営の軸となる考え方を学びました。
その後、体調を崩し、自分や家族関係を振り返った後、平成18年の会社法改正が会社を設立するチャンスだと思い、平成18年5月に会社を設立しました。今年になってようやく、介護や介護教育というフィールドの中で音楽をコラボレーションさせていくという試みがはじまったところです。
一つは、自分の身の回りの方から、介護の相談とか介護の不安を聞くことが多かったので、「こんな私にでも何かできることはないか?」と思ったことがきっかけです。その中でも、実際に伝えていく時に、大事にしたいのは「現実事実を伝えていくこと」です。
例えば、ヘルパー養成講座をするとき、「ヘルパーは良いよ、良いよ。」という良い部分だけをクローズアップして、伝えがちですが、私の場合、良いか悪いかは相手の判断に任せ、現実事実を伝えることで、相手にこのヘルパーという仕事に向き合って欲しいと思っています。
家族介護でも全てそうですけれども、やはり私の知る限りでの現実事実を伝えた後、「で、どうしますか?」という発想は、大事にしたい想いであるし、私の中で大事にしている「自己決定」というキーワードに関連してくることでもあります。介護保険制度のキーワードでもあるんですよ。
自分自身が講師として伝えていくうちに、「自己決定」という要素が少ない中では、発展も少ないことに気づいたんですね。私たちは「自己決定」をしていただくために環境や条件を整えていく。そして、さらには、「自己分析」に発展できるきっかけづくりが、今の私の役割だと思っています。「自己決定」と「自己分析」の繰り返しが、自分を作っていくんですもんね。
一番は「起業したいという想いが強かったこと」なんです。それはさておいたとして、私の近くにいつもアドバイスをしてくださる方がいましてね。その方は会社の経営者で、私と介護講座を通して知り合い、その縁でお付き合いさせていただいているのですが、私の両親や息子は、根拠を持って起業したい経緯を説明したら、すごく喜んでくれたのに、その方だけが唯一反対しました。「そんな甘ない。やめとけ。今のままでも、仕事があるやないか。」と。
このとき、この方に根拠を持って説明し、起業に理解していただかないと、この先、起業した後もやっていけないだろうと思ったんですね。私に対して、120%応援したいと思ってくださっている方に、根拠を持った想いを伝え、理解していただけないと、この先、私を知らない誰かには、到底想いを伝えることはできないんだろな、と思いました。
その後も粘り強く説明をしていきましたが、ずっと反対されました。「法人にせんでも、仕事あるやないか。」と。しかし、実際の研修の仕事などの法人格を有さないための不利益や法人格を有することでの夢の拡大をお伝えしていくと、最終的には、理解をいただけました。
その方には、起業準備から起業後、経営面から小さな仕事面まで、ありとあらゆるサポートをいただきまして、いつも「感謝の気持ち」をと思っていました。しかし、その方は金銭を一切受けとらず、「一緒におると勉強になる。おもしろいんや。」の一点張りでした。「よし、ここは仕事でご恩を返そう!」と強く決めました。そして、昨年初めてある企業様からの受託を、その方に業務としてお力をいただくことができました。お礼の気持ちを少し返せたような気がして、嬉しく思いました。
決して個人の人情や想いだけで仕事をしている訳ではないですけど、そういう小さな出来事や「いただいた無償の愛を返したい。」という想いが私を支えていますね。例えば、私にご親切にしてくれた方々に対して、「いつかやりたいね!」と言い合ったことが、今一つずつ実現できてきているんですよ。
昨年12月に東京と大阪のアーティストが一同に介してイベントをしたんですね。「また、みんな、このメンバーでやりたいね。」そう想ってくれるだけで、私はじゃあまた、「このメンバーでやるために頑張ろう!」とか、そういう小さいことの繰り返しで、想いやエネルギーが持続している感じがします。
もちろん、委託してくださったり、提携してくださる企業様や受講生さんの喜びあってこそで、「山本さんのおかげで。」「山本さんありがとうね。」、これらのお言葉を支えに頑張っていけている部分が大いにあります。あ、子育ては両親と息子を取り巻く心ある方々の中で、心身健康的に成長してくれています(笑)。
基本、フットワークを軽くして、動くことだけなんですけれど、動いていく中で、少しでも無駄な動きを少なくするため、企業の中で、誰に何を言えばいいかを見極めていったことです。
例えば、企業でその人が決定権を持っていようが持ってなかろうが、人としてのつながりは大事なのですが、ビジネスとして考えたときは、決定権が誰にあるのかをわかっていないと、ものすごく時間を長くかけたのに、全く話が通じなかった経験がありました。中には、「自分が決定権を担っています。」「いいよ。いいよ。」と言われて、時間や回数を重ねたけれども、最初から全然上司に通っていない話の中でやっていたことなど、人としては凄く影響されて良いお話ができたのだけれども、ビジネスというラインだけで考えると、そこのところは、しっかりと筋道を通してやっていかないといけないということは感じました。
これからも介護ストレスに着眼して、「ミュージックテラピージャパン」という音楽を使ったライブイベント、あと、アーティストのメッセージ性を活かした音座(アーティストライブを盛り込んだセミナーや研修)という弊社ならではのお喜びいただけるスタイルを確立していきたいと思います。
すごく大きな言い方ですけど、総合力のある人ですね。それは、専門分野での実力と人間性、社会性、これがバランス良く備わった人。あと、私の中の一つのテーマとして「共感」=「共に感じていきたい」というものがあるんですけど、そういった総合力のある人と、共感しながら、働いていければと思っています。
ちなみに、人間性というのは、思いやりを持てるということ、相手に対する想像力をどれだけ持てているか、社会性というのは、挨拶や時間管理、期日を守ること、連絡・報告・相談をきちんとするだとか、そういったビジネスとしての基本的な部分ですね。
普通、起業というと「自分事」としてのキャリア選択の側面が強く、そういった場合は、勇気が要ったり、恐怖を感じたりするものです。
今回の山本社長の場合は、今まで助けてくれたり支えてくれたりした仲間や企業に対する恩返しの意味で、介護士や介護業界のストレスをどう軽減していけば良いかを真剣に考える、いわゆる仲間の想いや社会的な使命を背負った起業であるように感じました。
「自分事」としてのキャリア選択ではないため、そこには、勇気が必要だとか、恐怖などはありません。あるのは、「どうしたら想いや喜びを共感していただけるのか?」ということだけ、とのことでした。
ただ、決して利他的なことばかりではなく、やり方という側面では、自分が好きな「音楽」というツールを用いているということで、自分らしく好きなことをやっている、とも言えるのでしょう。